ご案内
尾﨑教授からのご挨拶
岡山大学整形外科は1954年に開講されました。開設以来、4名の教授が教室の運営を担当しており、私で4代目になります。
私は、1987年岡山大学を卒業し、大学院時代前半は骨軟部腫瘍の遺伝子解析を行いましたが、大学院時代の後半より臨床活動に復帰し、骨軟部腫瘍の診療を岡山大学病院で行っておりました。また、合計5年半の長期にわたりドイツのミュンスター大学整形外科に留学させていただき、骨軟部腫瘍切除後の四肢再建手術のトレーニングを重点的に行いました。同時に、骨軟部肉腫に対する国境を超えたヨーロッパの多施設共同臨床研究を体験し、大規模な多施設共同研究の重要性を痛感しました。岡山大学は、中国・四国地区における骨軟部腫瘍センターの役割を果たしております。そのため、どんな症例にも対応できる必要がありますが、ドイツでの豊富な経験は大変貴重なものとなっております。さらに、2014年からは岡山大学病院にサルコーマセンターを開設し、各科協力して肉腫の診療を行っております。
一方、現実の医療の現場では運動器疾患を扱う整形外科が担う守備範囲は、きわめて広いものであります。2019年度の厚労省国民生活基礎調査では、介護が必要になった主な原因として運動器の障害が25%と最も多くを占めています。日本は超高齢社会となり、高齢者の運動器症候群であるロコモティブシンドロームに対する対策など、整形外科医に対する多方面からの期待は大きいものです。救急外傷では、70%以上は整形外科が関与することになりますが、岡山大学整形外科は開設以来、外傷教育には特に力を入れています。また、スポーツ人口の増加とともに、アマチュア、プロを問わずスポーツ障害に対する時代のニーズが大きくなっています。このような状況により、岡山大学整形外科の各グループ(外傷、小児整形、リウマチ、腫瘍、脊椎、上肢、手、股関節、膝関節、足、リハビリテーション、運動器疼痛、基礎研究など)をバランスよく発展させていくことが重要であると感じております。各チームによる優れた研究と臨床成績とを岡山大学から世界へ発信し続けていきたいと考えております。
漠然と外科系の科を考えている学生の皆さん、そして整形外科に興味を持っている学生さんや若い先生方。今が絶好のチャンスです。岡山大学整形外科はきっとあなた方ひとりひとりの希望を叶えていけると思います。どんどん、我々岡山大学整形外科に参加して、一緒に頑張っていきましょう。
教授 尾﨑 敏文
略歴
1987年3月 | 岡山大学医学部医学科卒業 |
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1991年3月 | 岡山大学医学部大学院医学研究科修了 |
1993年7月 | ドイツ政府給費留学生(DAAD奨学生)としてミュンスター大学整形外科で臨床研修 |
1999年6月 | フンボルト財団研究員としてミュンスター大学整形外科にて臨床研修 |
2002年6月 | 岡山大学医学部附属病院講師 |
2002年10月 | ミュンスター大学でのHabilitation試験合格によりVenia Legendi für das Fach Orthopadie (ドイツ語圏整形外科教授資格)取得 |
2005年6月 | 岡山大学医歯薬学総合研究科生体機能再生・再建学講座(整形外科学)教授 |
2013年4月 | 岡山大学病院 副病院長 |
2021年4月 | 岡山大学学術研究院医歯薬学域教授(名称変更) |
2023年4月 | 岡山大学病院総合リハビリテーション部部長 |
岡山大学整形外科の歴史
1954年4月 | 児玉俊夫教授就任 |
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1954年6月 | 整形外科開講、外来診療と学生の講義開始 |
1964年5月 | 第8回日本リウマチ学会総会 |
1968年4月 | 第41回日本整形外科学会総会 |
1968年10月 | 第11回日本形成外科学会総会 |
1977年5月 | 第14回日本リハビリテーション医学会 |
1978年4月 | 田邊剛造教授就任 |
1990年4月 | 井上 一教授就任 |
2001年4月 | 岡山大学大学院医歯学総合研究科 生体機能再生・再建学講座 (整形外科学)となる |
2002年5月 | 第75回日本整形外科学会学術集会 |
2003年4月 | 第48回日本リウマチ学会総会・学術集会 |
2005年4月 | 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科と改称 |
2005年6月 | 尾﨑敏文教授就任 |
2022年11月 | 第6回 日本リハビリテーション医学会秋季学術集会 |
2023年5月 | 第96回 日本整形外科学会学術総会 |